第52章 Getaway Car 　☆

玄関のインターホンを鳴らすと、すでに来ていたキャメルが出た。


「あ！赤井さん！どうぞ」


そう言いながら俺を部屋に招き入れると、ジョディが俺の大荷物を見て言う。


「なに？その紙袋たち」

「すまないが、冷蔵庫貸してくれないか？
…サラへの土産なんだ」

「そんなにたくさん？…まぁいいわ。どうぞ」


まぁ、ジョディが驚くのも無理ないか。
自分でも、どうにかしてサラの機嫌を取ろうと必死だなと思うし。


「で？俺の知恵を借りたいって」

「これなの…」


ジョディが見せて来たのは、ちょうど今アメリカ本土で起こっている連続誘拐事件の資料。


「別のチームが追ってるヤマなんだけど…」


そう言ってジョディが、この事件の詳細について説明し始めた。

さっさと解決して帰ってサラに謝ろう。
そう思っていたのに、これは思った以上に長引きそうだな。

そう思いながら、俺は完全に仕事モードに切り替え、ジョディの話を聞いた。