第52章 Getaway Car 　☆

赤井side

サラが食べたいと言ってたピエールエルメのマカロンBOXを買い、
サラがショーウィンドウで見惚れていたGODIVAのグランプラス(59粒入り)を買い、
サラの大好物のチーズケーキを買った。

わかりやすく、物で釣って謝ろうとしてる。

思い返してみれば全部食い物だ。
しかも甘いもの。
総額3万円の謝罪料だ。

大急ぎで車を飛ばして、家に帰ろうとしている時、突然ジョディから着信が入った。


「この忙しい時に…」


はぁーっとため息をついて車を路肩に停め、通話ボタンを押した。


「秀？悪いんだけど、ちょっと知恵を貸してほしいの。
別の案件でトラブルが発生してて…
キャメルもいるから、私のマンションに来れない？」


仕事か…
こんなときに。

俺は一瞬迷ったが、そちらも気になると言えば気になるし、とっとと行って解決して、サラのところへ帰ろう。

そう判断し


「わかった。今から向かう」


そう言って電話を切った後、ジョディのマンションへ向かった。

駐車場から出るとき、そう言えばこの夏の終わりの気温にチョコレートやチーズケーキ、マカロンを車内に置いておくのはマズイな…

ジョディに冷蔵庫貸してもらうか…


そう思いながら、スイーツの入った大量の紙袋を持ちながら、ジョディの部屋へ向かった。