第8章 恋をしたのは☆ ♪

何だ？とみんなでそちらを見ると、人混みの中から徐々に道が出来て、そこをサラが歩いていた。


イエローのロングドレスに、スリットから覗く脚、ハイヒールがよく似合っている。
いつもよりメイクアップしていて、まるで


「サラさん！
まるで女優さんみたいですよ！！」


光彦くんが わー！と 自分が思っていることを口に出して言ったので、俺は少し焦って口元をに手を持ってくる。


「みんな見てくるから、何か間違ったかと思った」


焦ったー。と言う風にそう言うサラは、本当に何も自覚していないのだと呆れてしまう。

「初めまして。毛利蘭です。
こっちは父の小五郎、友達の鈴木園子です。」

「あっ…初めまして。
工藤さんのお家に住まわせていただいてる、桜井サラと言います。」

「素敵なドレスですね！」

「ああ、これは…」


サラが何かを言おうとした時、歩美ちゃんが無邪気に言った。


「安室のお兄さんに選んでもらったんだよね！」


唐突にそんなことを言い出すから一瞬思考回路がロックされた。
安室…選んでもらった…？
冗談だろう。そう思っていたら、


「えっ。何で知ってるの！」


と、慌てた様子でサラが言った。

どう言うことだ？サラの腕を掴んでそう問いただしたくなる衝動をグッと抑えた。