第51章 HANABI ☆

赤井side


顔にかかった精液を、ティッシュで拭ってやると、サラはソファーから身体を起こしながらはだけた浴衣をどうにか着直そうとしている。

が、さすがにもうほとんど脱がされていると言っても過言ではないぐらい乱れた浴衣を着直すのは不可能らしい。


「えー！これ帯どうしたらいいの？！
有希子さんの着付け、一瞬だったから全然わかんないよー！
赤井さん脱がせたんだから責任とって着せて！！」

「…俺に浴衣の着付けができると思うか？」

「…脱がせたくせに」


お前だって喜んでいたくせに。

そう思ったけれど、言葉にするとプリプリ怒って来そうだ。と予測した俺は、誤魔化すようにサラの髪をぽんぽんと撫でた。

サラはしゅんと下を向きながらぶーっと口を尖らせて言う。


「せっかく赤井さんがメロメロだったのに」

「言っておくが、いつだってメロメロだ」


そう言うとサラは一瞬顔をかあっと赤くしたが、すぐに冷静になりまた俺に文句を言う。


「浴衣がこんなんじゃわたしほとんど裸だよ」

「…じゃあ、これ着てろよ」


俺はそう言って自分が着ていたTシャツを脱いで、サラに手渡した。

花火は最後の演目らしく、サラは大人しく俺のTシャツを上からかぶる。

サラが着るとちょうどワンピースぐらいの丈になり、不意打ちで可愛すぎて目の前がクラクラした。