【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第51章 HANABI ☆
可愛い…
けれど、サラが嬉しそうにする姿を見て更に申し訳なくなってくる。
「サラ…せっかくだが、もう変装を解いてしまったし、赤井秀一の顔で人混みに行くわけにいかない。
花火大会は、また来年…」
「うん!だから、バルコニーから見ようよ!
素麺食べながら!」
そう言ってサラは楽しそうに笑った。
いつもそうだ。
サラは俺の思っている以上に、些細なことでも楽しそうに笑う。
俺が、サラにしてやれないことを悔いている心を一瞬で軽くしてくれる。
そういうところがたまらなく好きなんだ。
「サラ…」
「なに?」
首を傾げるサラに、俺はゆっくり唇を重ねた。
ゆっくり離すと、サラが顔を赤くしてこちらを見る。
「どうしたの?」
「お前が、可愛すぎて…」
「もう…そんなこと言って、わたしのことドキドキさせる作戦でしょ?」
いや…既にお前にドキドキさせられているんだが。
そう心の中でツッコミを入れるけれどサラは気付くはずもなく、鼻歌を歌いながらもらった素麺を魔法の杖のように振りながら笑う。
「ほら!素麺準備しよ!」
そう言ってサラは俺の手を繋いで、キッチンへ向かった。
あぁ。
来年も、こうしてサラが俺の手を引いて、幸せな時間を一緒に過ごすことは間違い無いな。
そう思いながらサラを見ると、サラは終始楽しそうに素麺の準備をしている。
時折、湯気に「あち。」と可愛くこぼしながら。