【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第8章 恋をしたのは☆ ♪
パーティーは今日の夜17時から。
パーティーに出席するためのドレスやヒールを持っていないわたしは、慌てて買いに来たと言うわけだ。
「とは言っても、ドレスなんて買ったことないしなー」
昔はよくドレスを着て潜入捜査をしたことがある。
けど身につけるものは全て所属していた組織が用意してくれていたし、着るドレスは黒ばかりだった。
「さすがに黒はなー。
日本のパーティーだし、華やかな方がいいか…」
赤井さんに選んでもらいたかったけど、パーティーまでは仕事があるそうで、会場で落ち合うことになっている。
どうしようかなほんと。
そんなことを考えながら、店を入っては出てを繰り返していると、後ろから聞き慣れた声がした。
「偶然ですね。お買い物ですか?」
振り返ると、よく知った顔。
前もこんなことあった気がする…
わたしはジトーっと声の主の方を見ながら言った。
「安室さん…ほんと、わたしのことつけてないよね?」
「まさか〜。
先ほどからずっと店に入ったり出たりしている怪しい人物を観察していただけですよ。
何か悩み事でも?」
自然に頭をポンポンしながらそう聞いてくる。
子供扱いしてるな??と少しムッとしたが、他にアドバイスを貰える人もおらず、観念して安室さんに話した。
「…急遽パーティーに行くことになったんだけど、着ていくドレスがなくて買いに来たの。
でも、どんなの着れば良いか悩んじゃって」
「パーティー?」
「うん。ベルツリータワー建設の記念パーティーだって。」
「ふうん。…これなんかどうです?」
そう言って安室さんは意味ありげに微笑んだ後、レモンイエローのロングドレスをわたしに当てる。
「お似合いですよ!」
さっきまで不審そうな顔をしていた店員さんが近づいてきて、ここぞとばかりに褒めてくる。
「黄色かぁ。あんまり着たことないかも。」
そう言いながら鏡を見た。
確かこういうドレス、昔アンジェリーナジョリーが着てたな。
アンジーのファンだったわたしは、黄色もいいかも。と思い、これ以上悩むと時間もギリギリになるのでこのドレスを買うことにした。