第49章 bluebird　☆

待たされたクーポンを配り終え、呼び込みもある程度上手くいった。

休憩しようと海の家に戻ると、店内は男性客で溢れかえっていて、梓さんが忙しそうにしながらわたしに手を降った。


「あっ！サラさん！客寄せ大成功ですね！」


「見事に男性客ばかりですが…」


安室さんはとても複雑そうな顔をして店内を見渡してる。


「しょうがないでしょ！
この格好でうちの店に来てくれる女の子絶対いないよ！」


そんな至極真っ当なことを言っていると、マスターが上機嫌に指示をする。


「サラちゃん呼び込みお疲れ！
大繁盛だよ！ボーナス弾むからね！
ちょっと安室さんと交代してくれる？
安室さんに女性客を呼び込んできてもらうよ。
サラちゃんは店の接客をお願い。」

「あ！はい！ってことは、このエプロンはもう外しても…」


ようやくこの恥ずかしすぎる格好からオサラバできると、ぱあっと目を輝かせて言うけれど、マスターはにこりと笑いながら容赦ない。


「いや。継続でお願い」


呼び込み担当だから渡されたんじゃないの？！

そう思いながらも、マスターの無言の圧力を感じ、わたしは大人しくそのままの格好でお客さんにビールを運んだ。