第49章 bluebird　☆

仕方なく、持っていた黒のビキニにマスターから渡されたフリフリのエプロンをつけて鏡の前に立った。


「あー…これは…赤井さんに見られたら殺されるな…」


水着で覆われてる部分はエプロンに隠れて見えないからもう見た目はほとんど裸エプロンだ。

大丈夫なの？！これで人前に出て…
めちゃくちゃ恥ずかしいんだけど！

全員水着の海だから、ギリ許される？

って言うか、お子様にはだいぶ刺激強いんじゃないか…
いや、水着よりも露出度高くないからセーフなの…？
セーフ？アウト？どっちー！？


もう一般常識がなんなのか分からず、うーんと頭を悩ませていると、安室さんがロッカールームに入ってきた。


「サラー。入っていいですか？」

「…どうぞ」


鏡の自分を見て呆然としながらかろうじて返事をする。

ガチャリ


「これ、今日配るクーポンです。
今日のおすすめメニューは……」


そう言いながら入ってきた安室さんはわたしの姿を見て目を見開いて固まった。


「…やっぱりヤバいよね…この格好」


エプロンの裾を引っ張りながら言うと、安室さんは顔を赤くして目を逸らしながら頭を掻いて言う。


「…ヤバいな…かなり」

「だよね…」

「でも、悔しいが客寄せには最適だと思うよ…」

「ほんと？稼げるかな？」

「…それはもう…下手すれば半年分ぐらい稼げそうな気も…」

「じゃあ頑張る！」


チーズケーキ！マカロン！
なんならチョコレートも買えちゃうかも！

よし！と気合を入れ、わたしは意を決して砂浜に繰り出した。