【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第49章 bluebird ☆
海の家のバイト当日
朝から開店準備のためにわたし、安室さん、梓さん、マスターが勢揃い。
「よし。今日の当番を決めようか。」
「当番?」
段取りが全く把握できていないわたしに、梓さんが丁寧に教えてくれる。
「ええ。キッチン担当、サービス担当、客寄せ担当の3つに分かれるのよ。
マスターはずっとキッチン固定。」
「なるほど…」
「じゃあ、マスターである僕の独断と偏見で。
梓ちゃんはサービス担当、サラちゃんは客寄せ担当。
安室くんは、その時の忙しさに応じてそれぞれのヘルプに入るオールラウンダーということで」
さすが、マスター。
決断力があるというか、即決で一番効果的な配置を指示した。
「「「了解です!」」」
3人仲良く揃って返事をして、それぞれの持ち場の準備に取り掛かる。
と言っても、客寄せかぁ。
わたしの仕事はポアロの割引券を配りながら、海にいるお客さんを呼び込むというもの。
水着エプロン、ほんとに効果あるのかな…
なんなら水着だけの方が効果あるんじゃ…
半ば半信半疑だったわたしはうーんと考え込んでいると、マスターがエプロンを手渡しながら言った。
「サラちゃんはこれね」
「はい……ん!?!」
渡されたのは白いフリフリのエプロン。
メイドさんとかが付けるような…
「え!いつものロゴ入りのエプロンじゃ…」
「客寄せ担当はこれ!」
有無を言わさぬ圧をこめた笑顔でマスターが笑う。
マスター…なんかいつもとキャラが違う…
わたしだから良いものの、人によってはこれセクハラパワハラですよ…
どうやらマスターは去年この1日だけの海の家で相当稼いだのが忘れられないらしく、今年も稼ぐぞという気迫が見てとれる。