第49章 bluebird　☆

「買い被りすぎだよ…。
そう思ってくれるの、赤井さんだけだよ？」

「買い被りなんかじゃない。
お前は可愛すぎるから、心配なんだよ…ずっと縛っておきたい。」


そ、そこまで言われると困る…
でもポアロには二つ返事で行きますと言っちゃったしなー。

わたしはめちゃくちゃずるい手を使って赤井さんを納得させようとする。


「…でも、仕事だよ？
仕事なんだから、仕方ないでしょ？」

「…卑怯だ」


赤井さんは仕事人間だから、仕事を理由にすると断れないとわかってる。

ごめんね…でも、行くって言っちゃったし、それにお金欲しいもん！
海の家は客引きの仕事もあって、たくさんお客さんを釣れたら一気に稼ぐチャンス！


「…ね？たった1日だけだし。」

「…わかった。…仕方ないな…仕事なら」


赤井さんは全然納得のいっていない顔をしながら、はぁーっとため息を吐いてまたわたしを抱きしめた。

抱きしめる腕が、行って欲しくない…と言ってるようだ。

拗ねてる子供みたいで、赤井さんがちょっと可愛く見えてしまう。

赤井さんってわたしのことよく馬鹿と言うけど、赤井さんだって馬鹿だよ…
どんな男が寄ってきても、赤井さんに敵うはずないもん。

わたしはぎゅっと赤井さんを抱きしめ返しながらそんなこと思った。