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【R18】You belong with me 【赤井秀一】

第48章 カブトムシ ☆




煙が燻って消えていくとき、ふと宮野明美を思い出した。
煙を吐いた先に宮野明美の顔が見えた気がして、思わずぽつりと独り言を漏らした。


「悪いな。
どうしても、サラを手放せない。
わかってくれとは言わないが…」


怒るだろうか。
私を殺した男と関係があった子と生涯を共にしようとしているの?
そう言われるだろうか。

それとも、俺が幸せならそれでいいと笑ってくれるだろうか。

もう聞けないがな…


けれど一瞬だけ、宮野明美が微笑んだような気がした。
それでいいんだよと、言ってくれているような気がした。

俺がそう思いたいだけなのかもしれないな…

タバコを一本吸い終わると、バルコニーから室内に戻り、またサラが眠るベッドに入ると、半分夢の中にいながらサラが俺にしがみついてくる。


「起こしたか…?」

「ん…たばこのにおいする…」

「一本吸った。悪いな、嫌か?」

「ううん。好き…
秀一さん大好き」


もぞ…と俺にピッタリ身体をくっつけてギュッとしがみつきながらそう言うと、サラはまたスーと寝息を立て始めた。


サラ。
本当に、呆れるぐらい俺はお前が好きみたいだ。
嫌いになれれば、どれだけ楽だろうな。

けれど、もしお前と出会わなかったら、俺は今もずっと過去の幻影に囚われたままだった。

仕事で命を落とすことなど、容易にあり得ると思っていた俺が、初めてこの人のために死ねないと思えた。


これからも、俺はお前とずっと一緒に生きていく。

そう決めたんだ。



「サラ…好きだ」


髪を撫でながらそう言い、俺もサラを抱きしめたままゆっくりと目を閉じた。



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