【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第48章 カブトムシ ☆
赤井side
行為の後、サラに腕枕をしながら髪を撫で、額にキスをしていると、いつの間にかサラから、スー…スー…と寝息が聞こえてきた。
「寝たのか」
俺にぴったり寄り添いながら、身体を丸めて眠るサラがどうしようもなく可愛くて、俺はゆっくりとサラの唇に自分の唇を重ねた後、布団をかけ直してやる。
「した後にすぐ眠る癖、昔からそうだよな」
昔なんて言ったが、まだこいつと付き合い始めてから1年と少ししか経っていない。
けれどもう10年以上一緒にいるような気がする。
不思議だな。
俺の過去も、こうして知らず知らずのうちにサラに上書きされている。
不意にタバコを吸いたくなった俺は、サラが完全に眠ったのを確認して、ゆっくりと腕枕を外した。
まるで、赤ん坊が起きないように慎重に寝かせる母親の気分だ。
一度も起こすことなく、腕枕を外した俺は、スウェットだけ履くとバルコニーに出てタバコに火をつけた。
ふと灰皿を見ると、マジックでこう書かれていた。
「たばこ吸いすぎ注意٩(๑`^´๑)۶」
可愛いサラの字と隣に書かれてるまるでサラみたいな顔文字に、思わず吹き出してゴホッとむせた。
「怒るなよ。一本だけだ」
そのメッセージに一人で返事をして、肺に煙を目一杯吸い、フーッと口から夜空に向かって吐いた。