【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第48章 カブトムシ ☆
「…あぁ。」
赤井さんは、特段驚いた様子もなく、淡々とわたしを抱きしめている。
どうして…?
怒らないの?
どうして黙ってた?って怒るでしょ、普通。
「…一度だけじゃなくて…何度も…
ずっと忘れてたの。
忘れよう忘れようとして、目を逸らし続けてきた…
今更、こんなこと言って…ごめんなさい」
声を震わせながら、言葉を探しながら赤井さんに精一杯伝えた。
赤井さんは、静かに低い声で言った。
「……許さない」
あぁ、やっぱりそうだよね…
これで、終わってしまうのかな…
こんなに大好きな人を傷付けて、きっとこれ以上に好きになれる人にはもう出会えないのに。
抱きしめられた身体が、今にも離されるんじゃ無いかと思うと、身体が震える。
息もうまく出来ない。
そんなわたしの心の中を読んでいるかのように、赤井さんがゆっくりわたしから身体を離した。
終わりだ…
目を閉じた瞬間、涙が流れた。