【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第48章 カブトムシ ☆
そんなことをグルグル頭の中で考えていると、赤井さんがわたしの名前を呼んだ。
「サラ…」
そして、わたしの手を引いて自分の腕の中に閉じ込めた。
ぎゅっと抱きしめられ、わたしは身体が固まる。
どうしよう…言わないと…
言わないと…
「サラ。今日は、ありがとう」
「え…」
「お前がいてくれて、助かった」
わたし…何もしてないのに…
それどころか、ジンとウォッカを見てプチパニックになったりして、足手纏いもいいとこだったのに。
それに…
「どうして…」
「ん?」
「どうして何も聞かないの?
…赤井さん、さっきのわたしの言葉、聞こえてたでしょ?」
わたし、昔、ジンと…って、聞こえてたでしょ…?
「…あぁ。
だけど、俺はそんなことより、今俺の腕の中にお前がいる。
その事実の方が大切だ」
そう言って赤井さんは、またわたしを抱きしめる力をぎゅっと強めた。
「や…めて…優しくしないで…」
罪悪感で、押しつぶされそうになる。
もうどうしようもないのに。
こんなの、赤井さんのことを好きになった時点で気付くべきだったのに…
「……わたし、ジンと…寝たことがある」
消えそうな声で、赤井さんにそう言った。