【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第48章 カブトムシ ☆
キャメルさんの運転する車が自宅に到着した。
「すみませんが、赤井さんから警護を頼まれていて、家の中で待たせてもらってもいいですか?」
「もちろん。どうぞ」
「まぁ、サラさんに警護は不要どころかむしろ私が守ってもらうかもしれませんが…
おじゃまします」
キャメルさんはそう言って笑いながらご丁寧に靴を綺麗に揃えて中に入った。
「コーヒーでいいですか?」
「はい!」
「あ、もしよかったらお菓子も出すので、洗面所で手、洗ってきてください」
「じゃ、じゃあお言葉に甘えて」
キャメルさんが手を洗いに行っている間、わたしはまず変装のマスクを解き、素顔に戻った。
キッチンに立ってお湯を沸かしコーヒーを淹れ、チョコレートと一緒にダイニングテーブルに置いた。
しばらくするとキャメルさんがLDKに戻ってきて、コーヒーの置かれた椅子に座りながらわたしに言った。
「ほんとに、ここで2人で生活されてるんですね…」
「え…?」
キャメルさんの言った意味がよく分からず首を傾げると、キャメルさんは慌てて補足をする。
「あぁ、いや。
…赤井さんは、ずっと仕事最優先で、家に帰ってリラックスしている姿はあまり想像できなかったんです」
「そうなんですか…」
「でも、さっき、洗面所で歯ブラシが二つ並んでいるのを見て、何だか安心しました。
赤井さんにとって、ちゃんと帰る場所が出来たんだと。
サラさんみたいな、いい人がそばにいてくれて後輩としても嬉しいです」
屈託ない笑顔でそんなことを言われると、私の良心がズキンと痛んだ。