【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第48章 カブトムシ ☆
ガソリンスタンドをスルーして、俺が向かったのは米花町5丁目。
毛利探偵事務所の前に車を停めた俺はその下の喫茶店の入り口を開けた。
「いらっしゃ……あなたですか」
中にいたのはバーボンこと安室透。
「安室さん、お知り合いですか?」
隣の店員にそう聞かれるとバーボンは少し笑いながら言う。
「まあね。…梓さん。
すみませんが少し出て来てもいいですか?
すぐに戻ります」
「大丈夫ですよ。他にお客さんもいないし」
そう言われるとバーボンは俺にゆっくり近づいてきてアイコンタクトをした。
「外で話しましょう」
俺は言われるがまま、バーボンの後についていった。
ポアロの横にある路地に入ると、バーボンは気だるそうに俺に言う。
「沖矢さん。なんですか?
僕を訪ねてくるなんて、珍しいですね。
まさか、呑気にコーヒーを飲みにきたわけじゃないでしょう?」
「…聞きたいことがある」
「もう隠す気ないのか。
あなたに話すことなんて何もありませんよ。
お引き取りを」