【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第48章 カブトムシ ☆
赤井side
「ジェーンと同じ匂いがした」
それで、ドンピシャに当ててサラの腕を掴んだジン。
匂いって…ただの同僚を匂いだけで嗅ぎ分けられるか?普通。
俺はサラの匂いがしたら、すぐにわかる自信がある。
それはサラの匂いが好きで、愛しくて、愛しているからだ。
ジンは、どうしてわかったんだ。
どうして覚えていたんだ。サラの匂いを…。
それに、サラはこの間、ジンとウォッカを街で見かけて夜遅く帰ってきた時、俺が触れると咄嗟に払いのけてこう言った。
「わたし、汚いから…」
あの2人を見て気が動転していたのだと思っていたが、妙に引っかかる。
嫌な、予感がする。
「…まあ、奴らは取り逃したが、殺害された協力者の身元はFBIで調べればすぐわかるだろうし、そこから次の糸口を見つけよう」
ジェイムズがそう締めて、今日の仕事はこれで解散となった。
「…キャメル。悪いが、サラを家まで送ってくれないか?
俺が帰るまで、一応警護として一緒にいてやってほしい」
「え、ええ。構いませんが…」
「赤井さんはどうするの?」
サラが心配そうな顔をしてそう言うのを、俺は気にするな。と言うように口角をあげた。
「マスタングに、給油してから帰るよ。」
「それなら…わたしも」
「いや、少し寄りたい所もあるから、先に帰っていてくれ。」
有無を言わせずそういうと、サラは少し考えた後コクンと頷いた。
「じゃあ、キャメル。頼んだぞ」
そう言い残し、俺はマスタングを発進させた。