【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第48章 カブトムシ ☆
取引相手だった金髪の女性が殺されたことを、ジェイムズさんに連絡した後、
沖矢さんと一緒にオークション会場のホテルを出た。
組織のメンバーは今ジョディさん達が追っているようだけど、きっとあれも末端の人間。
捕まる前に、自決するか組織のスナイパーに殺されるかのどちらかだろう。
一度、ジェイムズさんとコナンくんの待つ車に戻ろうと、駐車場へ向かって歩き出した時、
駐車場の入り口付近に黒ずくめの2人の人影が見える。
ジンとウォッカだ…
わたしは咄嗟に沖矢さんの腕を掴んだ。
「サラ?」
「…ジンとウォッカがこの先に…」
そう言うと、沖矢さんは一瞬目をやるとすぐにわたしを見て、わたしを落ち着かせるように髪を撫でながら言った。
「…落ち着け。俺たちの顔は今別人だ。絶対にバレない」
「でも…」
「サラ…」
沖矢さんがわたしの名前を呼んだ瞬間、わたしの唇に沖矢さんの唇が重なった。
「…大丈夫だ。俺がいるから」
「…うん」
そうだね。こんなふうに避けている方が挙動不審だ。
わたしは沖矢さんの腕に自分の腕を回し、駐車場の入り口にいるジンとウォッカに向かっていくように、2人で歩いた。
ドクン…ドクンと心臓が鳴る。
大丈夫。赤井さんが一緒だし、わたしは今有希子さんの変装術のおかげで全くの別人。
このまま何事もなく、すれ違って終わりだ。
そう思っていたのに