【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第48章 カブトムシ ☆
ゆっくり階段を上がり、屋上のドアの前まで来た時、沖矢さんと一度目を合わせた。
そして沖矢さんの合図とともに、屋上のドアを勢いよく開けて、銃を構えた。
「動くな!FBIだ」
そこには、先ほどのパンツドレスの女性と、黒装束を着た男が今まさにプログラムの入ったUSBを取引しているところだった。
「クソ…」
黒装束の男は一瞬の迷いもなく、USBを握りしめて逃走。
「ジョディ、一人逃げた。そっちは任せた」
「了解」
「さて、俺たちは…」
そう前置きして、沖矢さんは残った女性に銃を向け続けている。
「…あの組織について、知っていること全て話してもらう」
「…私は、何も知らない…私は……う…うぐ…」
両手を挙げて弁解するその女性は、突然喉を押さえた。
「…なんか、様子が…」
わたしがそう言うと、
「う…ぐぁあぁ…」
その女性は、泡を吹いてその場で倒れた。
「毒か。」
「え…」
「おそらく、さっきの男だ。
USBを受け取るときに、この女の手に毒を仕込んだんだろう。
この女の指を見てみろ。」
「…爪、噛んでる…」
「癖なんだろう。きっと俺たちがくるほんの少し前に無意識に爪を噛んだんだ…」
沖矢さんは少し悔しそうにそう言うと、ジェイムズさんに無線を飛ばした。
「…取り逃しました」