【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第48章 カブトムシ ☆
赤井side
会場を出て、俺たちは例の金髪の女を尾行した。
ジョディ達と挟み撃ちするような形で尾行を続けていると、その女はオークション会場のホテルの非常階段の方へ消えていく。
「追うぞ」
「私たちはエレベータで先回りして見張るわ」
ジョディ達はそう言って、非常階段のすぐ横のエレベーターの電源を押す。
少し時間を空けて非常階段の扉を開け、耳を澄ませると先程の女のヒール音がする。
どうやら上に向かっているらしい。
「ジョディ。上だ」
「了解」
「サラ。俺たちはこのまま、非常階段で追うぞ」
「あ。ちょっと待って」
サラhそう言って、俺の腕にしがみつくと、自分が履いていたピンヒールを脱いだ。
「音するとバレるから」
そう言いながら、素足になることを厭わないサラ
そうだよな…こいつは俺が想像しているよりもずっと過酷な修羅場を潜ってきたんだ。
今、サラの表情も雰囲気も、いつものサラと180度違う。
顔を変えているからと言われればそうなのだが、立ち方や話し方、そして顔つき。
どれをとってもあの可愛いサラはいない。
そしてサラは自分のドレスのスリットを捲ると、太ももに巻きつけてあったホルダーから銃を抜いた。
「よし。いつでもOKよ」
「…行くぞ」
そう言いながら俺は静かに非常階段のドアを再度開けた。