【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第47章 黒い猫の歌 ☆
「あ、あの…サラさんって、あの組織に頻繁に雇われていた諜報員だったんですよね?」
「ええ。それも凄腕よ。ああ見えて。」
「なら、サラさんに協力してもらえれば鬼に金棒じゃ…」
「キャメル!」
キャメルが言った一言を、俺は大きな声でキャメルの名前を呼びながら止めた。
「す、すみません」
「…確かに、もしそれが叶うなら心強いが…」
ジェイムズがチラリと俺を見ながら言うが、俺は容認する気は全くない。
「…俺は反対ですよ。
サラを危険な目に合わせるわけにはいきません」
そう言う俺に、ジョディは核心を突いたことを言ってくる。
「ずっと思ってたんだけど、サラちゃんから何も情報聞き出せないの?
…秀の気持ちはわかるわよ?
だけど、こんなに近くに例の組織に繋がる糸口があるなら、協力してもらうべきよ。
…秀だって、あの組織を潰したいと思ってるんでしょ?」
勿論、あの組織のことは全力で潰したいと思っている。
だが、サラを危険な目に合わせるくらいなら、簡単な糸口なんていらない。
遠回りしてもいい。
そう思っている俺に、ジョディはさらに突っ込んでくる。
「手加減して、あの組織に勝てると思っているなら甘いわよ。秀。
それに、彼女だって、秀のことが好きなら協力したいと思ってるはずよ?
…1人の仲間として、ちゃんと認めてあげてもいいんじゃない?
守られてるだけのお姫様なんて、あの子一番嫌がりそうじゃない」
「赤井くん。私からも頼むよ」
「赤井さん…」
いつだったか。
サラは言っていたな。
もどかしいと。
協力できることはたくさんあるのに、何もできないのがすごくもどかしい。
そう言っていた。
「…わかった。俺からサラに話してみる。
ただし、危ないと判断した場合すぐにあいつを避難させる。
それでもいいですか?」
「ああ。勿論だよ」
ジェイムズと目を合わせそんな約束を交わすと、
俺はサラと有希子さんがお茶をしているリビングへ向かった。