【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第47章 黒い猫の歌 ☆
もしジンが絡んでる案件なら、間違いなく危険だ。
もし赤井さんが、ジンに銃口を向けられて、わたしのように撃たれたら
そう思うと、手が震えてくる。
「…サラちゃん、ほんと秀ちゃんのこと大好きね。
それに負けず劣らず秀ちゃんもだけど」
そう言われて、何も言わずコクリと頷いたわたしを、有希子さんは抱き寄せて頭を撫でてくれる。
「こんな可愛くて良い子が家で待っているんだから、秀ちゃんは絶対大丈夫よ」
「…わたし、有希子さんや赤井さんが思ってるほど、いい子じゃないです。
…純情でもないし、弱くて汚くて最低な部分たくさんあります」
そう言ってじわっと溢れる涙を不器用に手で拭うと、有希子さんは優しい声で言った。
「完璧な人間なんて、この世にいるのかしら。」
「え…」
「誰だって、心に後ろめたいことを隠して生きているのよ。
それを他人に見せるかどうかはあなた次第だけど、それを汚いか綺麗か判断するのは周りの人間よ」
そう言うと有希子さんは、わたしの肩を掴んで続けた。
「あなたには、せっかく全部受け止めてくれそうな人がいるんだから。
秀ちゃんのこと、信じてみたら?」
「…有希子さん…」
有希子さんの、言う通りかもしれない。
わたしの過去を、綺麗か汚いか。それを判断するのはわたしじゃない。
赤井さんは、わたしのこと汚いなんて思う?
あんなにわたしのことをいつも大切にしてくれる赤井さんが。
ちゃんと話そう。
これを話したら、わたしはもう赤井さんに隠していることは何もなくなる。
そう決心した時
ガチャ
リビングの扉が開き、そこには赤井さんが立っていた。
「サラ。有希子さん。
頼みがあります」
「頼み…?」
有希子さんが首を傾げながらそう言い、わたしはじっと赤井さんをみていた。