【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第47章 黒い猫の歌 ☆
気付くと辺りは暗くなっていた。
流石にもう、この近くにはいないだろう。
ゆっくりと立ち上がった拍子に、ポケットからスマホが落ちた。
画面のライトが付くと、そこには赤井さんから着信が何件も入ってる。
時刻は22時。
わたし、5時間もここにいたんだ…
スマホ、サイレントにしてたから気付かなかった…
雨はもう止んでいて、わたしは力無く公園を出て家に向かった。
ずぶ濡れのまま電車に乗るわけにも行かず、数駅分の距離をとぼとぼと歩いた。
しばらく歩いて自宅に到着し、ガチャリと玄関ドアを開けると、赤井さんが今ちょうど外に出ようとしていたところに鉢合わせた。
「あ…かいさん」
「サラ…こんな時間まで、何やってたんだ。
心配したぞ。」
「…ごめん。ちょっと雨宿りしてた」
「…夕方にバイトが終わってからずっとか?」
「うん…」
「…まぁいい。
風呂沸かしてあるから、身体温めてこい」
そう言って赤井さんはわたしの肩に触れた。
その瞬間、わたしは咄嗟に赤井さんの手を払いのけてしまった。
「触んないで!」
「…サラ?」
「…わたし、汚いから…ごめん…」
そう言って逃げるようにバスルームに駆け込んだ。
そして入るなり、すぐにシャワーを全開にした。