【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第47章 黒い猫の歌 ☆
翌日
「お疲れ様でした!」
ポアロのバイトが終わりポアロを出る時、土砂降りの雨が降ってた。
「車で送ろうか?」
安室さんが、徒歩のわたしを心配して声をかけてきた。
「ううん。ついでに街で買い物して帰ろうと思ってたから。
傘もあるし、大丈夫」
「そうですか。
今日は13日の金曜日。
寄り道はほどほどにして早めに帰った方がいいですよ」
「安室さんがそんな非現実的なこと言うの、めずらしいね。」
そう笑って言って傘を差し、表参道に行こうと駅へ向かった。
赤井さんとやり直してもう数ヶ月が過ぎた。
季節はもうすぐ夏を迎える。
そして、出会って1年が過ぎてた。
1年記念日だし、二人で使えるものを何か買おう。
コーヒーメーカーとか、ちょっといいトースターとか。
品物を物色していると、ふと自分の指についた赤井さんから貰った指輪が目についた。
右手の薬指。
本物を渡すまで左手にするな。そう言ってくれたとき、わたしは生きていて良かった…そう思った。
そして、これからも赤井さんの隣で生きていきたいと、強く願った。
「すき…」
指輪を頬にあて、赤井さんを感じた。
一緒にいなくても守られている感じがする。
買うのはコーヒーメーカーにしよう。赤井さんが喜ぶものがいい。
そう思って、Delonghiで1番いいコーヒーメーカーを購入した。
自宅配送をしてもらい、届くのは明後日。
朝、これで赤井さんにコーヒーを淹れてあげよう。
ふふっと幸せが込み上げてきて、わたしは大通りを傘をさして歩いた。
そのとき、通りに停めてある車が目に入った。