第46章 HAPPY BIRTHDAY ☆

楽しい時間は、あっという間に過ぎて、動物園を出たわたしたちは近くのカフェレストランで夜ご飯を食べた。


「美味しかったねー！」

「満足していただけたようで、何よりです」


今日はあくまでも沖矢さんなんだ。
と言っても、運転してるのはマスタング。
スバルはエンジンの調子が悪いらしい。


「さて、帰りますか」

「あ、待って。もう少し、ドライブしたい。」

「構いませんよ。適当に走りますか？」

「…この間、赤井さんが連れてってくれた、来葉峠の高台に行きたい」


あれは確か、合コンで散々な目にあった後に赤井さんが連れて行ってくれて…

そこで、赤井さんと…


そこまで思い出して顔をボッと赤くしたわたしを見て、沖矢さんが笑う。


「なにを思い出しているんです？」

「な、なにも？！？」

「フッ…。じゃあ、行きますか」


沖矢さんにはたぶんわたしが何を思い出していたのかバレバレだと思う。
沖矢さんは思い出さないのかな。
わたしだけ？未だに、あの夜の星空を鮮明に覚えてるのは。


そんなことを思いながら、助手席から大好きな沖矢さんの横顔を眺めていた。