【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第46章 HAPPY BIRTHDAY ☆
今日のごはん、なにかなー。
今日はわたしが夜までポアロだから、赤井さんがご飯当番だ。
シチューかな。肉じゃがかな。
ぐるるるとお腹が鳴る音がしながらエレベーターが到着するのを、階数表示を眺めながら待った。
シチューがいいなぁー。
食べると元気になる魔法のシチュー。
エレベーターがフロアに到着し、わたしは腹の虫を抑えながら鍵を開け、家の中に入った。
「ただいまあー!」
あれ?電気消えてる…?
でもリビングはなんかボヤッと光が…
玄関から廊下を通りLDKの中に入ると、部屋中にキャンドルが置いてある。
「???!」
え、なにこれ…ど、どうなってるの…
明らかにいつもと違う様子の部屋の中に、わたしは戸惑いながらも赤井さんの姿を探した。
そしてダイニングテーブルに美味しそうな料理が並べられていることに気付く。
さっき、わたしが食べたいと思ってたシチューに、ブレッド、生ハムのカプレーゼに、大きなホールケーキ。
ケーキのプレートには、
HappyBirthday
とかかれている。
わたしは、頭で理解する前に視界が滲んだ。
だってそんなことある?
わたし、今日誕生日だって伝えてないよ?
なんならわたしもさっきまで忘れてたし。
もしかして、逆に赤井さんの誕生日なの…?
そう思いながら唇を震わせていると、赤井さんの声がわたしの名前を呼んだ。
「サラ」
声のした方を向くと、赤井さんがわたしの手を引いて、自分の腕の中に閉じ込めた。
ぎゅっ…と抱きしめられながら、赤井さんが耳元で、わたしが15年間一度も言われなかった言葉をくれた。
「誕生日、おめでとう」
涙が溢れた。