第45章 A Whole New World ☆

赤井さんは、一体何度わたしを幸せで泣かせるの…？


「…そうなんだ…。嬉しい」

「…泣き虫」


わたしが泣いてることは赤井さんにすぐにバレて、わたしの涙を指で拭う。


「…わたしも、赤井さんを会わせたかったな。パパとママに」


きっと、2人ともすごく喜んでくれただろうな。
特にママは、小さい頃からずっとわたしに
世界一大好きな人を見つけなさいって言ってたもん。

パパは複雑な顔をしそうだけど、赤井さんは頭が良くて誠実だから、きっとすぐに仲良くなる。

そんな、もう叶わないことを願ってしまう。


「…会いたいか？」

「…会いたい。…会って聞く。
一体、誰に殺されたの？って」


わたしから、別の涙が溢れた。


赤井さんはまたぎゅっとわたしを抱きしめてくれる。
まるで、大丈夫だよ。俺がいるから。って言ってくれてるみたい。

そう思ってすぐ、赤井さんがわたしを抱きしめながら言った。


「俺がいる」

「…ふ…伝わってるよ」


たった今、思ったことと全く同じことを言われ、わたしは思わず笑ってしまった。

赤井さんに抱きしめられると安心する。
彼の背中に手を回すと、わたしのだ…って思う。

いつの間にか、わたしの帰る場所は赤井さんの腕の中になってる。

赤井さんはゆっくりと身体を離して言った。


「帰ろうか」

「うん」


赤井さんの大きな手をぎゅっと握ると、赤井さんもわたしの手を握り返してくれる。

この人がいれば、怖いものなんてない