第45章 A Whole New World ☆

俺が嫉妬したのが顔に出たのか…
もしかして、それで気を遣って写真撮るの諦めたのか…？

そう思うと途端に申し訳なくなり、思わずサラの手を引いた。


「サラ」

「ん？」

「…いや…いいのか？写真…」

「うん。大丈夫」

「…せっかく王子様に会えたのにか？」

「うんー。でも、わたしの今の王子様は赤井さんだから」


ふふっと笑いながらそう言うサラを見て、ぎゅーんと胸が締まった。

何だよそれ…可愛すぎる…
俺は王子様なんて柄じゃないのに。

俺は思わずサラの唇に自分の唇を重ねた。

もう誰が見てようがどうでも良かった。

「赤井さん…？！」

「…帰りたい…」

「え…た、楽しくない？」

「いや、そうじゃない。
…早く帰ってお前を抱きたい…」


はぁ…とため息をつきながらサラを抱きしめてそう言うと、サラはかああっと顔を赤くした。


「だ、だめ！水上ショー観たいもん…」

「……そうだな。悪い。
ちょっと舞い上がり過ぎた」

「…明日もバイト無いから…今日は夜更かしできるよ…？」


そんなことを上目遣いで言ってくるサラ。

もう、メロメロでも何でもいい。
俺のツボをいちいち突いてくるこいつが悪い。


「サラ」

「なーに？」


やられっぱなしは気に食わない。
ん？と首を傾げるサラの腕を引いて、俺はサラの耳元で囁いた。


「好きだ」


サラはさっきよりもさらに顔を赤くして俺を見た。


「…ずるい」


ずるいのはお前だろ…
そう思いながら、サラの手を握り、次の場所へと向かった。