第45章 A Whole New World ☆

赤井side


「それにしても、兄さんの彼女、若いね」


注文をして、料理を受け取るのを待っていた俺に、秀吉がニヤニヤと話しかけてくる。


「…まあ、8個下だからな」

「ふうん〜。さっき、兄さんが誰かに甘えているの初めてみたよ」

「…余計なところばっかり見やがって」


そう言うと、秀吉はひとしきり俺の方を見てニヤニヤした後、


「ねぇ、兄さんはサラさんのどこが好きなの？」

「…どうしてお前にそれを教える必要がある」

「教えてよー！」

「…可愛らしいところ
…強がってるくせに、弱いところ」

「うわぁー！兄さんが照れてる！すごい！！」


俺からそんな話を無理やり聞いた後、秀吉は突然ため息を付きながら言った。


「それにしても、母さんはいつになったら由美タンに会ってくれるんだろう」

「…まあ、心配せずともそのうち会えるさ」


あの組織の件がすべて片付いたらな…
そう心の中で返事をすると、秀吉が突然核心をついたことを聞いてくる。


「兄さんはしないの？結婚」

「…さあ」

「さあって〜！右手の薬指に指輪してたじゃないか〜！」

「変なところ目ざといな」

「僕ばっかり彼女の話させられてずるいよー！
兄さんのこういう話、今まで聞いたこと無くて新鮮で」

「お前が勝手に話し始めたんだろう」


ちょうどその時、料理がすべて出来上がり、カウンターからそれらを受け取ると、
サラ達が待つテーブルへと運んだ。

テーブルに着くと、サラと秀吉の彼女が楽しそうに会話をしていた。

サラがこんなに楽しそうなら、連れてきてよかったな。
そう思った。