第45章 A Whole New World ☆

お昼を食べ終わった後、タワー・オブ・テラーというアトラクションに乗ることになった。

どうやら一番人気の絶叫系アトラクションらしく、今乗っている人の悲鳴が聞こえてくる。

わたしは絶叫系大好き！なんだけど、タワー・オブ・テラーの少しホラーちっくな雰囲気に何となく不安に駆られる。


「ね、ねぇ。このアトラクション、お化け出てこないよね」


そう言いながらぎゅっと赤井さんの腕にしがみつくわたし。


「さあ。出るかもな？お化け」


赤井さんはわたしを揶揄うみたいにそう言って笑った。

そ、そんなこと冗談でも言わないでよ…
考えれば考えるほど、おどろおどろしいこのアトラクションの雰囲気に呑まれ、わたしは更に赤井さんにぎゅっとしがみついた。

そんなわたしを赤井さんはすっかり大人な態度で、ぽんぽんと頭を撫でて来るから、悔しくて思わず聞いてしまう。


「赤井さんって、怖いものないの？」

「ある」

「え！あるの！？オバケ？ゾンビ？」


当然、無いよ。という返事だと思っていたから、わたしは目をキラキラさせながら赤井さんを見た。


「オバケよりゾンビより怖いな…」

「えー？！なんだろう…」


オバケよりゾンビより？！
ジェイソンとか貞子とか？！

自分が怖いと思うものを頭の中で並べ、赤井さんが怖がりそうなものを探すがどれもピンと来ない。


「ねえ、教えて？気になる」


赤井さんの目を見てじっとそう聞くと、赤井さんは同じようにわたしの目を見つめ返して、わたしのハートを撃ち抜くようなことを耳元で言ってくる。