第45章 A Whole New World ☆

「ううんー。興味ない！
家で赤井さんにくっついてる方が好き！
赤井さんだいすき！！」


と、ほろ酔いのサラはニコニコ笑いながら、俺の腕にぎゅーっと抱きついて来る。

…可愛い…それに、この上なく嬉しい…
嬉しいのだが

プラネタリウムは行きたい！って言ったくせに。
イルカショーも行きたいと言ったくせに。

俺の作戦は裏目に出た。
興味ないと言われてから誘うのは、さっきよりもハードルが…

そう思っていると、サラはテレビを見ながら声を上げた。


「あああ！アラジンがいる！！！」

「え？」

「わたしの子供の頃の王子様なの！
アラジン！
…ここに行ったらアラジンに会える？？」


目を輝かせながら言うサラ。
ここで、会えるよって言うときっと行きたいと言うだろうが、複雑すぎる。ものすごく。

しばらく考えたが、もう夜24時。
明日の8時に舞浜に着こうと思うと、7時にはここを出ないと間に合わない。準備を考えたら6時起床。

睡眠時間の少ない日のサラは、機嫌が悪くなる傾向にある。


「…そうだな。会えるかもな。」

「行きたいー！！」


…屈辱だ。
他の男をエサにサラを誘うことになるとは。


「じゃあ、明日。行くぞ」

「え！？明日？そんなにすぐ？やったー！」


俺の心の中の葛藤をよそに、サラは即座に明日の準備をして上機嫌でベッドに入った。