第2章 犯人は私です。【真実編】
「…たしかにシラユキの声だけど…俺の名前を呼んだだけだ」
…アカイ…苦し紛れね…!
「シラユキは何て言おうとしたと思う?」
「『アカイ…ごめんね』じゃないか?きっとなにか俺に後ろめたいことがあって、詫びを残そうとして力尽きたんだろう」
「認めるのね」
「…なにをだ」
「…“詫びを残して力尽きた”…これがシラユキのダイイングメッセージだと…認めたわね?」
「…なにが言いたいんだ…!」
「この録音がダイイングメッセージだとしたら…アンタが見つけたダイイングメッセージ、メールの下書きは一体なんなんでしょうね?」
「!!!!!!」
「…死ぬ直前にふたつも残せないでしょ…?ねえアカイ」
「つまり…アカイが見つけたダイイングメッセージは…偽物?アカイが犯人をクロサキに仕立て上げるための…」
「……がっ……!!!!」
図星だったのか、アカイが酷く狼狽える。
「ていうか、メール開いて→文字打って→下書き保存する余裕とかあんのって感じ?ちょう冷静じゃね?」
「…まぁあれだろ?…ジ・エンドだぜ、アカイ」
「………。…………。」
「言いたいことがあるなら言いなさいよ」
「……………」
両腕を組み、アカイを凝視める。
「…あいつの、シラユキの…遊びを…終わらせたかった」
───酒盛りが終わり、解散になったあとだった。
外の空気を吸いに部屋を出た俺は
『………っぐ……っ……』
『…………?』
『たす……け、』
地面に倒れ伏した、瀕死のシラユキを見つけた
『(…ここで助けても、こいつは俺の秘密を握ったまま。俺は金を渡し続けて…)』
『…早く…』
シラユキが伸ばした手の先に…手のひら大の荒石が目に入った
ゴッ
シラユキに触れず、争いの形跡も残さず、その足で凶器を山奥の川へと投げ捨てに行った
それから4日が過ぎ───
アオキとシラユキは和室に運んでいた時だ
ゴトッ
『シラユキのスマホ…?』
“少し飲み過ぎたみたい。…風に当たって来るわね”
『…きっとこいつが、トドメになるはずだ』
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