第2章 犯人は私です。【真実編】
「(構わず走れ!!絶対に渡してたまるか…!!!)」
シラユキの部屋を飛び出し、2階から1階へと猛ダッシュ。
「おいみんな…!クロサキをひっ捕らえろ!!!!」
「(あの男!!!)」
後ろの方からアオキが大声で、みんなを呼ぶ声が聞こえた。
「(みんなに見つかるとまずいわ…!!)」
「おい!!!ダイイングメッセージを消すつもりだったのか!?!?」
「(追いつかれる!?)」
「そうは、させるかぁッ!!!!」
「(ダイイングメッセージ…)」
「シラユキが、最期の力を振り絞って残したダイイングメッセージを──」
「(…最期に力を振り絞った、ダイイングメッセージ…)」
私はハッとした。
「…そうだ…!!」
私はピタリと走るのをやめ、アオキを振り返った。
「はぁ、はぁ、はぁ…!…観念したか?シラユキのスマホを返せ」
「…なになに…??」
「どうしたの、アオキくん…?」
「…ダイイングメッセージを消そうとしたって?」
「クロサキうっせーぞ!!!寝ろよ!!!」
「…寝るには少し早いわよ、みんな」
「あ?」
アオキの呼ぶ声でみんながリビングに集まる。
「…ダイイングメッセージがふたつあったのよ」
「…死ぬ直前にふたつも残せないだろ。…ダイイングメッセージはひとつだけ」
「えぇ、私もそう思う」
私はアカイの言葉に頷く。
「…最期の力を振り絞って残す、ダイイングメッセージ」
「じゃあ、もう一方は偽物?」
「そういうことよ、スミレ。…どうして偽のダイイングメッセージがあると思う?」
「…………!」
「……………」
「真犯人が…誰かを犯人に仕立て上げたいからよ」
「真犯人って……!」
「これがシラユキを殺した、真犯人よ…!!!」
シラユキのスマホを取り出し、私はボイスレコーダーアプリを起動させ…
《………アカイ………》
…シークバーを後半にずらしてから再生した。
「真犯人は偽のダイイングメッセージを作り…私を犯人に仕立て上げようとした。ねぇ……アカイ。」
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