第2章 犯人は私です。【真実編】
「…お前は疑われ続け、俺がトドメとなる証拠を見つける…そのつもりだったけど、っはは…詰めが甘かったな。悪い…お前を陥れるような事をした」
「……………」
私は組んでいた腕を解き、ツカツカとアカイに歩み寄り…片手を振り上げた───。
パンッ
「……………」
「…最低ねアカイ。一発引っ叩くだけじゃ済まないわ。」
「…あぁ、お前の気の済むまで叩いてくれ」
「アンタのせいで散々な目に遭ったのよ。シラユキを殺した犯人だとみんなから疑われて…悲しかったのよ」
「……………」
「ねぇアカイ、アンタはいつも何かと助けてくれたじゃない。困っていたら手を差し伸べてくれたじゃない。それなのに…私を陥れるなんて…思わなかったわ」
「ごめん…本当に、ごめんな…」
警察が到着して間もなく、アカイは自白した。アカイが手錠を掛けられパトカーに連行される最中、全員でアカイの背中を見送った。
「…ご協力、ありがとうございます」
「…ちょっと待ってください」
私はアカイの元に駆け寄る。
「…なんだ?」
「…私の方こそごめんなさいね」
「謝るなよ。お前が悪いんじゃないだろ」
「…でも、仲間よ」
「………?」
シラユキに秘密を握られ、殺意を向けた者として。
◇◆◇
そうして私達はつつがない日常へと帰還した。
「…てか、あの後だって言うのにさぁ…」
「ふふ、いいんじゃないかな?」
「アリっしょ!!!アリアリっしょ!」
「…スミレは嫌なのか?」
「えっ…アオキがいるなら、いいかもだし…?」
「…………」
「クロサキは?」
「…私は───」
みんなが、サークルはなくなるものだと思っていた。そんな中、アオキがみんなを集めてこう言った。
悲しい思い出で、このサークルを終わらせたくないと。…余計なことを。
「もちろん、賛成よ」
私はニコリと笑う。
「ということで、仕切り直そうと思う!…夏は長いぞ、いい旅行にしよう!」
「…えぇ、」
いい思い出にしましょう
“犯人は私です。”
今度は、そうならないように。
TRUE END-平穏な日常-
────(完)
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