第1章 犯人は僕です?いいえ、犯人は私です。【コテージ編】
「スミレが聞いたらブチ切れるわよ?」
「おい、内緒にしとけよ…?そのかわり、もっと面白いこと教えてやる」
「何?」
「スミレの花の別名は、スモウトリ草だ」
「ぶっ……!」
「ケッサクだろう?…シラユキもお前と同じように笑って、スミレよりよっぽどお似合いだって言ってたよ」
「…それでその花、どうするの?」
「うーん…俺は十分イケてるしな、これはお前にやろう」
アオキかりもらったスミレの花。別名はスモウトリ草という。思い出すとまた笑いが…。
「(これを持ってスミレの部屋に行こう。)」
◇◆◇
「…忙しいんだけど」
「スミレ…これ」
「なにこの草…?」
「アオキからスミレにプレゼントだそうよ」
「アオキが……!?」
アオキからのプレゼントだと分かった途端、スミレの目が輝き出した。まるで宝石でも見てるみたいだ。
「ちょー嬉しいんだけど…アオキまだあたしのこと好きなんじゃん…」
ごめんアオキ。おかげでスミレの機嫌がよくなったわ。
「良かったわね、ところで…スミレはさっきから何してたの?」
「あぁね、アンタに裏掲示板の投稿見つかったでしょ?だから消してたの」
「(なるほど、証拠隠滅してたのね…カナザワといい、やっぱり気にしてるのね。)」
「裏掲示板さぁ、何もあたしだけじゃないんだよ?…シラユキもミドリも使ってんだって。あたしだけ腹黒扱いしないでよねー」
「(シラユキとミドリも裏掲示板に書き込みしてるのね…)」
「コレくれた礼にちょーウケること教えたげるわ」
「………?」
「裏掲示板のシラユキのハンドルネーム、“スモウトリグサ(笑)”だったと思うよ。アンタも掲示板見てみたら?」
「ええ、そうするわ」
「シラユキのは腹黒さ知ったら、アンタもあたしの味方するっての〜」
「(シラユキ…スミレのこと嫌いなのね。一応、ハンドルネーム覚えておこうかしら。)」
「てか、スモウトリグサってちょーウケるんですけど…ダッサ、あいつにぴったりだよねーキャハハ!!」
「(口が裂けても言えないわね、スミレの別名。)」
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