第13章 兄弟
普通に戦ったら絶対勝てない相手。
私の術式でも絶対ダメージを負わせられない
だから。最大限に呪力を送ってイメージを膨らませるんだ。
完璧じゃないと勝てない相手。
「領域展開 黄昏開闢」(たそがれかいびゃく)
私の領域。私の空間。
ここでならなんだってできる!!
「ほぉ。もうそこまで来たか。やはり見込んだ甲斐があったよ。」
周りを夕日に落ちるように焼き尽くせ。
「やってやんよ!!お前をもう一度!!……」
あれ、この人って亡くなったんじゃないの?
あんな致命傷を食らっていて、いくら反転術式でも無理
冷静に考えると…今戦っている相手は誰だ?
「どうした?縫条。君は頭の回転が早いね。」
そんなこと今考えてられない。とにかく攻撃を、傷を負わすんだ!
「術式 挿頭」
どうなってもいい!!今ここでアイツを倒さないと大変なことになる気がして止まない
「君達縫条家は毎回毎回私の邪魔をしてくるね。でも今回の君は出来がいい。」
「門前雀羅・哀!!!」
「クッ、ふはははは!!!」
私にできること、できる限り全てを!!呪うんだ
「まさかここまでできるとは、思ってなかったよ。」
トス
「ガッ……なに」
「私の存在はバレてはいけないんだ。だから今の私の記憶だけ。消させてもらうよ。だが、ちゃんと消えるか不安だな。楽しませてもらったね。次も期待しているよ縫条」
傑……?
あたま押されて、押されたところが痛い。
「あー、恵のお姉ちゃん。呪霊倒しにきたんだ。」
悠仁と恵と野薔薇のところに急がなくちゃ。
それにしてもさっきの呪霊、、呪霊?強かった。
でも領域を使えた。かなりの収穫な筈だ。
変な時間も体験したし、多分このことは口に出してはいけない。
そう思った。
私は森を抜けるためにトンネルを走った