第10章 4月26日 社内
午後の業務の合間に、ちらほらと金子との連名で小夜子の元に怜治からメールが送られてきた。
先程金子が話していた、主に明日の資料の一部である訳だが、どうも出来が良くない。
技術に寄りすぎる怜治の悪い癖がまた出ている。
金子はこれを見てないのだろうか。
他部課からの意見と銘を打ってやんわりと指摘事項を箇条書きしてみた。
『ところで、先程から金子さんは居ます? CCには入ってますけど』
『午後休取ってます』
「……押し付けやがったな」
小夜子が思わず口汚い独り言を呟いた。
だからさっきわざわざ、顔出しに来た訳。
半ばヤケというか、面倒になって小夜子は久しぶりにスマホを開いた。
『18時までミーティングだから、業後時間取れる?』
『取れる』
『こっちから行く』