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あなたが愛してくれたら【R18】

第8章 4月13日と少し 湊のマンション、社内


彼の言う通り、最近すっかりと忘れていた自分に気付いた。
容器の隅のサラダを口に運びつつ、返信を考えているうちに二通目が届く。


『何か俺、悪いことしたかな?』


そうじゃない。
悪いことも何も、そんな関係じゃない。

正直、面倒だと思う。

そしてそんな自分も、面倒だと思う。
一希に好意を持たれてる事位は分かっていた。

その代わり付き合うなんて匂わせた事は無い。


小夜子がスマホから目を外すと、もう一度振動に気付いて今度は『高階怜治』という文字が画面に現れた。


何となく。

それも見る気が起こらなくなって手持ちのバッグにし舞い込む。


小夜子は恋人を持たない。
しかし一度に複数と関係を持つ事は滅多にない。

そして大概は、自然消滅。

こんな風に答えを返せずに。




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