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あなたが愛してくれたら【R18】

第6章 4月12日 達郎の店


新しく入ってきた男性の客が、小夜子にちらりと目を向け、ごく軽く彼女が微笑んだ。
連れの男に何か耳打ちをしているようだ。

叔父の店に来てくれて邪険に出来ないだけなんだけど、また誤解されたのかも知れない。


ただでさえ派手目な自分の外見は面倒だ。
言動と同じく、見た目にも責任を持たなきゃならないから。

誘ったらすぐにヤレそう、そんな風に思われる。

あの、高階怜治だってそうなんだろう。


『次はこちらが奢ります』

「……次なんか」


何故か泣きたくなった。
もう酔ったのかな?

もう一つ、面倒事を思い付いた。

大人になったら泣きたい時に泣けない。


「この子は僕の姪っ子。 彼氏と待ち合わせで時々来てる」


達郎がさりげなく先程の男性客に小夜子を紹介し、機転を効かせて庇ってくれている。

彼氏という言葉を聞いて落胆した表情の客。


……泣けない。

だって達ちゃんが心配するから。




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