第26章 6月8日 社内
『業務外連絡のためショートノーティスとなりますが、今週金曜の慰労会についてのご案内を以下に記載致します』
そんな出だしから始まり、簡単に日時などの案内が書いてある社内掲示板を眺めていた。
「高階さん。 それ、出席します?」
怜治の肩越しにPCを覗いてきたのは後輩の武井。
「……多分、しない」
「木とか言ったの気にしてます?」
「全然」
「あれは褒め言葉です。 高階さんのそういう所は好きですよ」
「……………」
そんな、おはようみたいに「好き」とか言えるこいつって、どんな育ちをしてきたんだろう。
ここにある慰労会というのは、数ヶ月に一度のチャリティーも兼ねた屋外敷地での親睦会、ぶっちゃけ普通に飲み会だ。
総務部やなんかは出るんだろうが、今週末にまた約束している小夜子の事が気にかかっていた。
彼女次第ではあるとはいえ、こちらはフルに空けておきたい。