第24章 6月6日 レストランの庭、ホテル
「小夜」
彼女の体が強ばり、きつく閉じた目の上の、小夜子の額に汗が浮かんでいる。
これ以上は小夜子が壊れてしまう、怜治はそう思った。
けれど彼女の体は離さない。
離そうとするたびに引き留めて、その肌よりも熱く吸い付いてくる。
それを脱したと思うと入り口がぎゅっと阻み、薄膜に絡め取られる。
それで混乱した。
「怜治ッ…ダメ、…そんッなの、無理っ…!」
泣き続ける彼女に謝るしか無い。
「…小夜、ごめん、小夜…っ、止まんね」
また謝る羽目になってしまって申し訳無いと思うのに、こちらも体は逆の動きをする。
自身は益々硬さを増して彼女を抉るし、そこから逃げようとする小夜子の腰を引き寄せる。
もう少しでいきそうだった。
ギシギシとベッドが軋むたび、小さく悲鳴を上げる。
最初にした、あんな風に彼女を泣かせたくない。
そんな風に思い、何とか歯を食いしばって動きを止めた。
「小夜……辛い?」
「……ごめ…なさ」