第24章 6月6日 レストランの庭、ホテル
「…………ふ」
そんな事を言われても、まともに話すのもままならない。
片手の指先で硬くなった両方の乳首を弄られて、何かが溢れた気がした。
摩擦の合間をぬって、互いの性器との僅かな隙間から漏れた愛液が、小夜子の脚の付け根に伝う。
「泣いても駄目。 言って、さっきみたいに」
「……意地…悪」
「何とでも」
そうやって冷たく言うのに、次々と小夜子に降る彼のキスは優しい。
ついさっき触れられた奥が熱くて、焼けそうだった。
丁度また彼の手のひらが今触れている、お腹の下辺り。
「……欲し、い。 そこ、痺れて、お願い……もっと」
どんな顔をしてそんな事を口に出したのか、よく分からない。
多分凄くだらしない自分に違いない。
だけど怜治はそんな小夜子の頬に堪らないといった表情で口付けた。
「…ッぁ、ぁあ…っん、ん…ぁッああっ」
子宮の様で、違う様な。
彼がいいんだろうという場所。
緩く小突かれて。
そっと先端を塗り付けられて。
痛みでもなく、単なる外的な刺激でも無く。
内側から、揺らされて溶かされる。
思考が戻る前にまた抽挿を変えられる。
その間中小夜子は戦慄いて、彼がそれを繰り返す。
「ぃく……怜、っちゃ、…ゃ…ぁッあぁ……」
自分の声、甘ったるい声が止まない。
シーツを固く握り締めていた手を取られ、代わりに彼の手の甲に爪を立てる。