第3章 4月10日 湊のマンション
どちらかというと小ぶりな胸に似合いの、小粒な胸の先が彼女の両腕に寄せられて見え隠れしていた。
そんな彼女の姿を見て一希がごくりと喉を鳴らす。
胸に掛かる髪を梳く。
この体位もいいが、微妙に動きを制限されているようで、どこかもどかしい。
「な、バックからヤろうぜ」
「…………」
「後ろから突きたい」
「今日はこれが……ぃい」
返事をする代わりに一希は彼女の腰から下を手で掴み、そのままの体位で本格的に動き始める。
大きく股がった彼女の足の間に抽挿を送り込む。
入り口付近が窄まったみたいに狭い小夜子から抜く時の、引っ掛かりが何とも言えない。
湊小夜子。 その名に相応しく彼女には夜が似合うと一希は思っていた。
見た目の好みもあるが、小夜子の体とは堪らなく相性がいい。
そこに意識を持って行かれない様に一希はいつも気を逸らそうとする。
「ぁッあぁ…ん、ぁ…」
「っ小夜…」
喘ぎ続ける彼女の名を呼ぶと小夜子は身をかがめて口付けでそれに応え、舌先を合わせる。
この期に及んで目を細めて口を開き、戯れる表情はどこか小悪魔的だった。
そんな彼女をきつく抱き締め高まった一希が直前に漏らす。
「……愛してるよ」