第24章 6月6日 レストランの庭、ホテル
「……小夜の体、好きだ」
そんな事を言って彼が一旦体を離すと、また羞恥がぶり返してきてベッドシーツを胸元までたくし上げる。
怜治が首を傾げてそんな小夜子を見た。
「何で、今更」
「だって、怜治、いっぱい見るから……してる時」
「そりゃ見るし、まだ見るし。 そもそも治まってないし」
「そんな……あっ」
シーツを引く小夜子の手首を捕まえて、油断した拍子に今度は胸に舌を這わせる。
同じく気を抜いている様子の胸の先を軽く唇で挟んだ。
「ぁ、やっ……」
神経が一気にそこに集まった。
ぬる、とした感触の後に、今度は色付いた周囲ごと歯に挟まれた。
「!…んッ」
「感じる? こういうのも」
強弱をつけて噛まれて、答える前にまた体が震える。
「こんな綺麗な胸に歯型つけられて、感じる?」
「……ッて、した…ばっかり…やぁ」
今度は優しく舌で撫でられて、逆にびりびりとその箇所が痺れ、訳が分からず泣きそうになった。
「小夜って胸、感じやすいな。 片方だけ膨らんでやらしい」
「ち、違う……」
体は小夜子の言葉を簡単に裏切る。
もう片方を手のひらに触れるか触れないかの位置で撫でられていると、尖ってきた乳首が更に刺激を欲しがる。
腰が動くのを誤魔化す様に、彼女が何度か膝を擦り合わせた。
「胸も、か」
さっきよりも雄の表情をした怜治が小夜子の体をじっと見詰めている。
小夜子がそんな彼に戸惑った。
膨らんだ胸先はそのままにして、その周りを注意深く指先でなぞる。
時折間違えたみたいに側面に触れるとぴく、と小夜子が反応した。
ふ、といつも通りの表情に戻った怜治が、目を細める。
「乳首可愛い。 なんか生意気そうで、小夜みたいだ」