• テキストサイズ

あなたが愛してくれたら【R18】

第22章 6月6日 湊のマンション、レストラン


日曜の朝、小夜子は休日にしては早起きをし自宅の家事を済ませ、出掛ける支度に取り掛かっていた。


本人も深く考えた事は無いが、気が沈みがちな時や悩みがある時に、慌ただしく動きたくなるのは小夜子の癖だ。

達郎の婚約者。
小夜子にとっての両親、達郎から見れば姉や義兄にはもう顔合わせは済ませてあるという。
急な話だとも思ったが、知り合いの期間は長かったらしい。


「あの子ももう悩んでる歳じゃないしね。 これ、と思う人が出来たら早めに進めた方がいい」


小夜子の母親がそう言っていた。
そんなものなんだろうか。
だが、確かに大人になればなるほど枷は増えていく。

小夜子でさえ仕事があるし、ましてや達郎は自営業であり、自身のマンションも購入している。
ある程度、思い切りが必要だという事だろう。


呼ばれてるとはいえ今日は主役は向こうなのだからと、膝下のワンピースに紺色のジャケットを選んだ。

昨日用意しておいた婚約祝いのブリザードフラワーのギフトボックスの手提げ、それとバッグを腕に掛けて、小夜子は家の外に出た。

気にしていた雨もなく、雲の隙間からは日が差している。

いい日和だ、と小夜子は思った。



/ 309ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp