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あなたが愛してくれたら【R18】

第18章 5月20日 社内、蕎麦屋


二人がシステム管理課を訪ねると、事業部長が目を上げて頷いた。

社内では目立つ二人組に周りもちらと視線を送る。
小夜子がPCに向かっている金子の横に立った。


「金子くんにしては落ち着いてるんじゃないの、こんな時に」

「へ? 湊? 何の用、小池さんまで」

「今朝方双子のお子さん生まれたって、ささやかだけどシステム管理課と総務からのお祝い」

「……………」

「おめでとう」


課の人間が立ち上がり、拍手をした。
小夜子からブーケと贈答用の紙包みを受け取った金子が顔を赤くする。


「いつからこんなシステムになったんだよ……」

「4月から。 結婚や出産みたいな慶事に対しても小規模でお祝いしようって、ね」

「第一弾、おめでとう!」

「おめでとうございます、金子さん」

「………ありがとう」


金子が照れ臭そうにしきりに頭を掻いている。


「いいですね、これ」


隣で一緒に手を叩いている武井が怜治に話しかける。


「だな。 なんか総務が部内の飲み会ん時に決めたっつってたけど」

「急の際にも融通が効きやすくなりますし、周りの理解も得られやすい。 まあ、大っぴらに祝えない事象も発生するでしょうけど」

「まあね」



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