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あなたが愛してくれたら【R18】

第17章 5月18日 社内、デパート


「ありがとうございます」


二人のやり取りを見ていた店員が、笑いを堪えながら、渋々と財布から札を取り出す怜治の会計をする。


「でも、私も真理だと思いますよ」

「そう?」


手提げ袋を怜治に手渡した店員が微笑む。


「一生懸命選んでくれた、お気持ちも伝わりますから。 弊店の商品はそんな特別なギフトなんです」

「……ありがとう」

「またお待ちしております」


出入口でにこやかに見送られ、二人はそこをあとにした。


暗くなりかけた空を見上げ、怜治が紀佳から頼まれていた今日の買い物リストのチェックをする。

今週は安静にする事。
そんな医師の言葉通り、普段の家の買い物を怜治が引き受ける事にしていた。


「今日は助かった。 でも、出来れば他言無用にして欲しいんだけど」

「そんな自分の首絞める様な事しませんよ。 社内恋愛なんて興味無いですし」

「………そうだな」


周りにバレないように、何か別の袋に入れて手渡すんですよ! 有難いアドバイスを最後に貰い、駅前で二人は別れた。

彼女を敵に回す事だけは何としても避けたいものだ、怜治は心からそう思った。




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