第17章 5月18日 社内、デパート
「肉体関係あるならアリですけど」
彼女の発言に思わず怜治が誰も居ない筈の室内を見回した。
「今、昼。 ここ会社」
「まだ無いんですね」
「いや微妙。 彼女に聞いてみるか」
首元に手をやってため息をつく怜治に武井が首を振る。
「先輩って、仕事は出来ても人間関係で損するタイプなんですね」
「……………」
「まあ、今はお金さえ積めばいい老人ホームもありますしね。 孤独死の心配も無いでしょう」
どっちも嫌だ。
「……武井さん、業後暇?」
怜治の言葉に武井が快い笑顔で頷いた。