第3章 二限目
「草津」
冨岡先生が保健室に来た
「どうしたんですか?」
黙って私の前にくる
「今日は不死川と出勤していたのか」
「あ、いえ途中で会ったんですよ」
「そうか」
安心したような表情
「今朝は少し顔が赤かったようだが熱か?」
冨岡先生は私の額に手を添える
「大丈夫ですよ!」
「ん、熱はないな」
そう言って手を離した
そしてそのまま出て行く
「それ、だけ言いに来たんですか?」
「そうだが」
「心配させてすいません」
冨岡先生はそのまま行ってしまった
その夜私は宇髄先生と飲んでいた
そこには珍しく煉獄先生もいた
「冨岡先生は口数が少なくて何考えてるかわからないわ」
「あいつはそんなもんだろ」
「そうですけどぉ」
宇髄先生と煉獄先生は時々こうして飲むことがある
今日は私も混ざらせてもらった
「冨岡は表情で語る男だ!」
「その表情もよく見ないと読めませんよ」
「慣れてくるとそうでもないぞ!」
煉獄先生は俺にはわかると言っていた
「それはそうと草津は冨岡と噂になっていたな!」
「あーまだ噂になってるんですか?」
「うむ!一緒に住んでいるとまで噂になっていた!」
「それはないですよ!」
「そうか!噂だからな!」
煉獄先生は、はははと笑う
酒に酔った先生は余計に大声だ
私は広がる噂に頭を抱えた
「どうしたら噂なくなるかしら」
「恋人作っちまえよ」
「そんな簡単なぁ」
「案外簡単かもよ?」
モテる貴方とは違うんです
「冨岡と付き合っちまえば噂通りになるしよぉ」
「それは...」
「そっか!不死川だったな!悪い」
「え!」
私は赤くなる
「な、な、な、」
「話してたらわかるだろぉ普通」
「バレてるんですか!?」
「まぁ本人は気付いてないみたいだけどなぁ〜」
少しホッとしたような...
「そうか!草津は不死川が好きなのか!」
「声が大きいです!」
「すまん!まぁ俺も草津のこと好きだけどな!」
何を言い出すこの人は
私と宇髄先生は固まる
「む?どうした!」
「いや、お前それは...」
「なに隠していても仕方あるまい!」
煉獄先生からの突然の告白
私は言葉が出なかった