第1章 保健室

「ゆきの先生って彼氏いないの？」

そう聞いてくる男子生徒
私はいつも「いない」と答える

「こんな優しくて可愛いのになんでいねぇんだろぅなー？」

保健室の椅子に跨り生徒は言う

そんな私はある人に恋をしている

「おらてめぇらそろそろ予鈴がなるぞぉ」

保健室前の廊下から低い声でそう言うのは

「うげ、不死川先生！？」

男子生徒はやべぇと保健室から出ていってしまった
不死川先生もそのまま保健室を素通りして職員室に戻っていった

「はぁ...」

私の想い人である不死川先生
強面だけどかっこよくて、面倒見が良くて実は優しい
そんな不死川先生が好きになっていた

でも、学校に流れるある噂
それは...
不死川先生とカナエ先生が付き合っているという噂だ

「カナエ先生には敵わないわぁ」

保健室の机に項垂れる

優しくて物凄く美人な生物教師のカナエ先生
生徒から保護者までファンが多い

そんなある日
親睦会という名の飲み会が開かれた

飲むのが好きな私は勿論参加する
参加名簿にチェックを入れる時に目に入ったのは不死川先生もカナエ先生も来るということだ

いつも飲み会となれば二人は参加している
偶然なのか...または本当に付き合っているのか
聞かずにいた